ゲットバッカーズ 九巻
十兵衛と対峙する花月。十兵衛は自らを犠牲にするのも厭わず、黒針を使い続ける。
なんとかして十兵衛を助けたい花月だったが、決着の瞬間、十兵衛は己の黒針によって貫かれる。
そして、まるで走馬灯のように描かれる、幼き日の花月と十兵衛の姿。
あまりにも微笑ましく、あまりに寂しい光景だが、その回想により、花月は『友』を取り戻す。
戦線を離脱し、十兵衛を救おうとする花月。全てをゲットバッカーズに託して――
一方、『ユダ』として『プルトニウム』をマクベスの元へ運んでいたジャッカル。
彼はプルトニウムをマクベスの元まで運ぶという依頼を完了し、もう一つの仕事に取り掛かると言う。
そう、『IL』を奪還するという依頼だ。
まったくもって掴み所のない男である。そして、何故だか恨めない男でもある。
もともと誰の仲間でもないのだから、裏切り者にもなり得ない。
そう、ジャッカルは言い放つのだ。
鏡形而と相対するは工藤卑弥呼。
蛮と不動琢磨の決着をつけようと戦い始める。
そして、銀次は雷帝の姿へ――
怒涛の展開の9巻。それぞれの活躍や、本性を見ることとなる。
それぞれの感情が、ありありと描かれるのも、見ていてとてもハラハラさせられる。
今巻、個人的な一番の見所としては、花月と十兵衛の決着、そして過去。
今にも増して女の子にしか見えない花月。そしてまだ可愛らしい頃の十兵衛。
何故このまま日の光の下に彼らがいられなかったのか。それを思うととても胸が苦しくなる。
それでも今は今なのだと、現実を充実させるしかないのだ。
そのような思いは、我々もしたことがあるのではないかな。そう思った。