ゲットバッカーズ 一巻

『奪られたら奪り返せ』
それが信条の奪還屋、ゲットバッカーズ。
邪眼を持つウニ頭の美堂蛮、電気を体から発することの出来る天野銀次の二人組である。

どうにも金運に見放され、空腹で行き倒れていた彼らに、おにぎりを恵んでくれたホームレス。
たらふくおにぎりを食し、自分たちのことをホームレスのおじいさんに話した蛮と銀次。
すると、おじいさんは頭を下げて、彼らに頼みごとをしたのだ。
そのおじいさんの望みは、ヤクザに奪られた娘、山村理香を『奪り返す』こと。
一度は『依頼金が足りない』と依頼を突っぱねる蛮だったが、一飯の恩を返すため、夜の街へと消えてゆく―――

本作最初の大きな依頼として描かれるこの話だが、彼らの個性を色濃く読者に残すにはうってつけだったと思われる。
彼らのキャラクターはこの1巻ではっきりと把握することができるであろう。
『普通』の世界からは遠く遠くかけ離れた世界で生きているような彼らが、
皮肉なまでに人間らしい言動を見せてくれるのだ。
自分たちとは一線を画した世界に住んでいるとしか思えない彼らの、どうしても親近感を覚えてしまう阿呆らしい行動の数々。
我々が生きている世界の、ちょっと暗い部分に、こんな場所があるんじゃないか――
そんな錯覚すら覚え、作品の中へと引き込まれる。

これから出会う魅力的な仲間たち。
これから出遭う難解な大事件の数々。
彼らと一緒にその先を見てみたくなる。
私はこの作品を読んで、そんな気持ちにさせられた。

愉快で、ハチャメチャで、少しだけ真面目で、でもやっぱり頭が悪い。
そんな仲間、あなたも欲しいと思いませんか?

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